1焔 |
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「ロイ、お前の焔、綺麗だな」
当たり前だ。お前は私を愛しているのだから。
「大佐の焔、すげぇ、なんかみとれそう」
当たり前だ。お前は私が好きなのだから。
「アンタの焔は俺達の信頼。ともし火です」
当たり前だ。お前達は私の部下なのだから。
お前達がもし私の敵で。
私の焔に焼かれる立場になったとき、同じことは言えまい。
「本当に美しい。ねぇ、焔の」
お前だけはきっと、純粋に。
純粋にこの火を愛しているんだろう。
私がその身をこの焔で焼いたとしても、この焔を愛しているのだろう。
2紅蓮 |
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紅蓮、という二つ銘を何故戴いているのか。
ふと疑問に思ったことを口に出した。
紅蓮と言うのは真っ赤な蓮のことで、炎に例えられる。
彼の練成は爆発は炎を伴うとはいえ、主にその前段階の爆破を主な武力となす。
「さて・・・どうしてでしょうね」
彼はさしてどうでもいいように呟いた。
「焔の、紅蓮地獄って知ってますか?」
「地獄・・・東洋の死後感か?」
「えぇ」
「紅蓮地獄・・・・灼熱地獄のことか・・・?」
「いいえ。極寒地獄のことらしいです。
そこでは寒さのあまり皮膚が裂け血が流れ、その様が紅色の蓮のようだそうです。そこから、紅蓮地獄、と」
彼が作る爆破により、裂けた大地。裂けた人間。
「・・・・・最低なネーミングだ・・・・」
3嘘 |
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「・・・・・・・・疑わしい」
「おや、そうですか。酷いですね。信じていただけない」
「お前は嘘ばっかりだ」
「一度でも私は貴方に嘘を言いましたか?」
「・・・・嘘ばっかりだ」
可哀相な人だ。
世界をまだ美しいと思い込んでいる。
私の言うことを信じられないでいる。
私を嘘つきだと信じ込んでいる。
4内乱 |
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